LINQ to SQL:値を複数特定してデータを抽出する
※この投稿はMicrosoft Visual Studio 2008 Beta2で動作を確認しています。
データの更新の話をする前にちょっと寄り道です。
データを抽出する場合に、たとえばIDが1、3、4、8の人だけを抽出する、といった感じで値を複数特定し、そのデータだけを抽出したいという場合があります。SQL文でいうとINを利用したい場合、といったほうがわかりやすいかもしれません。
こういった場合に配列やListのContainsメソッドをwhereの条件として記述することができます。
using System;
using System.Linq;
using System.Data.Linq.SqlClient;
using System.Collections.Generic;
namespace LINQ4
{
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
LINQTESTDataContext dtc = new LINQTESTDataContext();
dtc.Log = Console.Out;
int[] NoList = new [] { 1, 3, 4, 8};
var query = from p in dtc.People
where NoList.Contains(p.id)
select p;
foreach (var item in query)
{
Console.WriteLine("名前={0}, 年齢={1}", item.Name, item.Age);
}
Console.Read();
}
}
}
このプログラムの実行結果は次のようになります。
ここで生成されるSQL文のINに渡されるパラメータの数はContainsに渡した配列の数によって自動的に変更されます。
あるデータの抽出結果に基づいて他のデータを取り出す場合等に使えそうですね。
LINQ to XML:データ型を簡単に指定する
※この投稿はMicrosoft Visual Studio 2008 Beta2で動作を確認しています。
以前の記事でLINQ to XMLではデータを適切な型にキャストする必要がある、と書いたのですが、そのデータ型の変換がずっと簡単にできることが「XML データ用の .NET 統合言語クエリ」の記事を読んでわかりました。
●以前のプログラム
var query = from p in People.Descendants("Person")
where int.Parse(p.Element("Gender").Value) == 1 && int.Parse(p.Element("Age").Value) >= 20
orderby int.Parse(p.Element("Age").Value)
select p;
○修正したプログラム
var query = from p in People.Descendants("Person")
where (int)p.Element("Gender") == 1 && (int)p.Element("Age") >= 20
orderby (int)p.Element("Age")
select p;
XMLのエレメントを特定したらそこに直接(int)と書くことでキャストが行われます。
適切な型が何かを知っておく必要はありますが、これなら記述も簡単ですよね。
※修正後の全プログラム
using System;
using System.Linq;
using System.Xml.Linq;
namespace LINQ3
{
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
XElement People = XElement.Parse(
@"<People>
<Person>
<Name>オサダ トシヒロ</Name>
<Gender>1</Gender>
<Age>32</Age>
</Person>
<Person>
<Name>カネフジ タカエ</Name>
<Gender>2</Gender>
<Age>46</Age>
</Person>
<Person>
<Name>キョウゴク トシツグ</Name>
<Gender>1</Gender>
<Age>11</Age>
</Person>
<Person>
<Name>コウダ キミタカ</Name>
<Gender>1</Gender>
<Age>17</Age>
</Person>
<Person>
<Name>シモイズミ エイコ</Name>
<Gender>2</Gender>
<Age>13</Age>
</Person>
<Person>
<Name>センザイ シュウイチロウ</Name>
<Gender>1</Gender>
<Age>43</Age>
</Person>
<Person>
<Name>ソウリョウ ノリカズ</Name>
<Gender>1</Gender>
<Age>21</Age>
</Person>
<Person>
<Name>マツバネ タツコ</Name>
<Gender>2</Gender>
<Age>24</Age>
</Person>
<Person>
<Name>ミツジマ タカコ</Name>
<Gender>2</Gender>
<Age>32</Age>
</Person>
<Person>
<Name>ヤハタ トシチカ</Name>
<Gender>1</Gender>
<Age>28</Age>
</Person>
</People>");
var query = from p in People.Descendants("Person")
where (int)p.Element("Gender") == 1 && (int)p.Element("Age") >= 20
orderby (int)p.Element("Age")
select p;
foreach (var item in query)
{
Console.WriteLine("名前={0}, 年齢={1}", (string)item.Element("Name"), (int)item.Element("Age"));
}
Console.Read();
}
}
}
LINQ to SQL:データの一括削除
※この投稿はMicrosoft Visual Studio 2008 Beta2で動作を確認しています。
複数のデータを削除するには、対象となるデータを抽出し、その結果をRemoveAllメソッドに渡します。
たとえば以下のようなプログラムになります。
using System;
using System.Linq;
namespace LINQ7
{
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
LINQTESTDataContext dtc = new LINQTESTDataContext();
dtc.Log = Console.Out;
var query = from p in dtc.People
where p.Gender == 1
select p;
dtc.People.RemoveAll(query);
try
{
dtc.SubmitChanges();
}
catch (Exception e)
{
Console.WriteLine(e.Message);
}
Console.Read();
}
}
}
この結果の一部ですが、以下のようにデータの内容を確認しながら削除が一件ずつ行われていることが確認できます。
ここで、対象のデータを抽出した後、削除すべきデータの内容が変更されていたらどうなるでしょうか。dtc.SubmitChanges(); の行にブレークポイントを設定し、データベースの内容を直接変更してみます。
ここでは、以下のようなエラーが表示されました。
そして、データベースの内容はプログラムを実行する前と終了した時点でまったく変わっていません。
つまり、RemoveAllを利用して複数のデータを削除する場合、自動的にトランザクションが開始され、途中でエラーになるとロールバックが行われるのです。
きちんと考えられてますよねぇ。
LINQの動作を確認する
Mike Taulty’s Blog : LINQ? Single Step this code…
サンプルプログラムの動作結果はこうなります。
IEnumerableとIQueryableの動作の違いが見てわかりますね。
LINQ to SQL:データを削除する
※この投稿はMicrosoft Visual Studio 2008 Beta2で動作を確認しています。
前の記事でまとめたデータを特定する方法をもとに、特定したデータをテーブルから削除してみます。
データの削除は、テーブル(dtc.People)から特定のデータのインスタンスを削除(Rremove)することによって行われます。
using System;
using System.Linq;
namespace LINQ6
{
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
LINQTESTDataContext dtc = new LINQTESTDataContext();
dtc.Log = Console.Out;
People deletePerson = dtc.People.First(p => p.Name == "オノ シュウジ");
dtc.People.Remove(deletePerson);
dtc.SubmitChanges();
Console.Read();
}
}
}
この結果は次のようになります。
実際にデータが削除されていることを確認してみましょう。
削除時のSQL文ではデータのすべての値を確認して一致するデータを消すようになっています。
これは他のユーザによって該当するデータが修正されている場合にそのデータを削除してしまわないための、要するに同時実効制御を考えたSQL文が生成されているということです。
同時実行制御のためにすべてのデータの値を使うのはどうもスマートではない、と考える人のためにデータのタイムスタンプ等を利用する方法もあるのですが、その点についてはデータの更新のところで述べることにします。
ちなみに、プログラムを次のように記述してもまったく同じ動作をします。
using System;
using System.Linq;
namespace LINQ6
{
class Program
{
static void Main(string[] args)
{
LINQTESTDataContext dtc = new LINQTESTDataContext();
dtc.Log = Console.Out;
dtc.People.Remove(dtc.People.First(p => p.Name == "オノ シュウジ"));
dtc.SubmitChanges();
Console.Read();
}
}
}
できるだけ短いプログラムを書きたい人がいれば、一応こういう書き方もできますよ、ということで。